和歌山県盲人俳句大会入賞句


第46回入賞句(令和元年度
第45回入賞句(平成30年度)
第44回入賞句(平成29年度)

第43回入賞句(平成28年度)
第42回入賞句(平成27年度)
題41回入賞句(平成26年度)
第40回入賞句(平成25年度)
第39回入賞句(平成24年度)

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第46回和歌山県盲人俳句大会入賞句

題の部
天賞
ふらここやポニーテールが風を蹴る
ふらここや ぽにーてーるが かぜを ける
地賞
点字読む指暖かし仏生会
てんじよむ ゆびあたたかし ぶっしょうえ
人賞
たい焼きにあつあつという鮮度あり
たたいやきに あつあつと いう せんどあり
特選賞
チューリップ予想せぬ色混ざり咲く
ちゅーりっぷ よそうせぬ いろまざり さく
入選賞
さえずりや歩みとめたり白き杖
さえずりや あゆみ とめたり しろきつえ
念願の入佛かなふ春彼岸
ねんがんの にゅうぶつかなう はるひがん
新緑をかけるタンデムこの町を
しんりょくを かける たんでむ この まちを
努力賞
宮参り桜吹雪に抱かれて
みやまいり さくらふぶきに いだかれて
燕の巣客のあふるる道の駅
つばめのす きゃくのあふるるる みちの えき

席題の部(席題「梅雨」または「田植」)
天賞
梅雨籠り老いには老いの楽しみあり
つゆごもり おいには おいの たのしみ あり
地賞
クラス会ネクタイ迷う走り梅雨
くらすかい ねくたい まよう はしりづゆ
人賞
見ぬ眼の夢のさおとめ田植えかな
みえぬめの ゆめの さおとめ たうえかな
入選賞
田植えして子どもに田植え教えられ
たうえして こどもに たうえ おしえられ
いっせいに田植風景いなかみち
いっせいに たうえ ふうけい いなかみち
努力賞
たうえするきかいの音に目がさめる     
たうえする きかいの おとに めが さめる
つゆ晴(は)れ間(ま)寺(てら)にまつかな忘(わす)れ傘(がさ)
つゆはれま てらに まつかな わすれがさ
窓(まど)ガラスピカピカにして梅雨(つゆ)晴(は)れ間(ま)
まどがらす ぴかぴかにして つゆはれま

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第45回和歌山県盲人俳句大会入賞句

兼題の部
天賞
指の汗ズボンで拭くや点字本
ゆびのあせ ずぼんで ふくや てんじぼん
地賞
囀りの窓開け放つ茶の間かな
さえずりの まどあけはなつ ちゃのまかな
人賞
花は葉にまたも昭和を遠くして
はなは はに またも しょうわを とおくして
特選賞
手づくりのでこぼこ団子月を待つ
てづくりの でこぼこだんご つきを まつ
入選賞
纏ひ付く猫を押しやり草を引く
まとひつく ねこを おしやり くさを ひく
かん梅や五感の一つなくしても
かんばいや ごかんの ひとつ なくしても
朝堀りの筍土の薄化粧
あさぼりの たけのこ つちの うすげしょう
努力賞
寝ねし子にやさしくそよぐ扇風
いねしこに やさしく そよぐ せんぷうき
散歩道みかんの花のいい香り
さんぽみち みかんの はなの いいかおり

席題の部(席題「花菖蒲」または「心太」)
天賞
いっせいに筒から飛び出しところてん  
いっせいに つつから とびだし ところてん
地賞
花菖蒲看護の母を手引きして      
はなしょうぶ かんごの ははを てびきして
人賞
そう身の頼もしい友心太        
そうしんの たのもしい とも ところてん
入選賞
神水のここにわきでて花菖蒲      
しんすいの ここに わきでて はなしょうぶ
ひょっとこを真似てすするや心太    
ひょっとこを まねして すする ところてん
努力賞
病む母の本復祈(いの)る花菖蒲        
やむははの ほんぷく いのる はなしょうぶ
のどごしにつるっとはいりところてん  
のどごしに つるっとはいり ところてん

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第44回和歌山県盲人俳句大会入賞句

兼題の部
天賞
わきあがるかゆのかおりやことしまい
わきあがる かゆの かおりや ことしまい
地賞
娘より母が派手目の夏帽子
むすめより ははが はでめの なつぼうし
人賞
紫木蓮咲ひて記憶の妻遠し
しもくれん さいて きおくの つまとおし
入選賞
年の豆まきて拾ふも一人なり
としのまめ まきて ひろうも ひとりなり
かぐわしき乙女の髪や藤の花
かぐわしき おとめの かみや ふじの はな
特選賞
手にふれし垂れ桜に感無量
てに ふれし さだれざきらに かんむりょう
白杖や無音となりぬ春の闇
はくじょうや むおんとなりぬ はるの やみ
努力賞
山桜今は見ごろと里の母
やまざくら いまは みごろと さとの はは
粽解く季節大きく動きけり
ちまきとく きせつ おおきく うごきけり

席題の部(席題「扇風機」または「冷奴」)
天賞
スプーンを介護の母へ冷奴
すぷーんを かいごの ははへ ちややっこ
地賞
居酒屋のメニュー加わる冷奴
いざかやの めにゅー くわわる ひややっこ
人賞
千円で手に入れ五年扇風機
せんえんで てに いれ ごねん せんぷうき
入選賞
みどりごの髪を揺らして扇風機
みどりこの かみを ゆらして せんぷうき
窓あけてひとつの風に扇風機
まどあけて ひとつの かぜに せんぷうき
努力賞
冷奴みどりの薬味よき香り
ひややっこ みどりの やくみ よきかおり
まだいける年代物の扇風機
まだいける ねんだいものの せんぷうき
夫婦戦バトルの後に冷奴
ふうふせん ばとるの あとに ひややっこ

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第43回和歌山県盲人俳句大会入賞句

兼題の部  
天賞
手をつなぐことを拒む児葱坊主
てを つなぐ ことを こばむこ ねぎぼうず
地賞
白杖を持つ安心の藤めぐり
はくじょうを もつ あんしんの ふじめぐり
人賞
ひと息を詰めて大きなしゃぼん玉
ひといきを つめて おおきな しゃぼんだま
磯宮の風が若葉を通る音
いそみやの かぜが わかばを とおる おと
入選賞
靴さげておんもねだる児花の昼
くつさげて おんも ねだるこ はなの ひる
道草の一年生や蝌蚪の群れ
みちくさの いちねんせいや かとの むれ
特選賞
茅花流し白髪やさしく梳かれをり
つばなながし しらが やさしく すかれをり
紀伊の峰一跨ぎして青嵐
きいの みね ひとまたぎして あおあらし
努力賞
囀りに窓あけはなつ一人部屋
さえずりに まど あけはなつ ひとりべや
誕生日孫より届く紙風船
たんじょうび まごより とどく かみふうせん

席題の部(席題「祭」又は「夕立」)
天賞
大夕立けぶりて天地つらがりぬ
おおゆだち けぶりて てんち つながりぬ
地賞
夕立に茶店にわかに活気づく
ゆうだちに ちゃみせ にわかに かっきづく
人賞
よちよちの子が先に立つ夏まつり
よちよちの こが さきに たつ なつまつり
入選賞
夏まつり大きめの下駄カタコトと
なつまつり おおきめの げた かたことと
鈴振りが笑え笑えと秋まつり
すずふりが わらえ わらえと あきまつり
子育てのころ思い出す祭かな
こそだての ころ おもいだす まつりかな
夕立の終わりは虹が冴えわたる
ゆうだちの おわりは にじが さえわたる
夕立のすぎたる後の海の色
ゆうだちの すぎたる あとの うみの いろ

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第42回和歌山県盲人俳句大会入選句

兼題の部
天賞
 人様の目を借り写す濃紫陽花
 ひとさまの めをかり うつす こあじさい
地賞
 窓越しの陽射し浴びつつ春寒し
 まどごしの ひさし あびつつ はるさむし
人賞
 港まで海鳥連れて鰹舟
 みなとまで うみどりつれて かつおぶね
 歩き初めピンクの靴や風車
 
あるきぞめ ぴんくの くつや かざぐるま
入選賞
 五月晴れ点字メニューのカフェテラス
 さつきばれ てんじめにゅーの かふぇてらす
 たちまちに干潮となりひじき刈る
 たちまちに かんちょうと なり ひじきかる
特選賞
 花蜜柑海に溶け込む空の青
 
はなみかん うみに とけこむ そらの あお
 新藁や死語になりゆく畚もっこ
 しんわらや しごに なりゆく ふごもっこ
努力賞
 好きな字を取って喜ぶかるたかな
 
すきなじを とって よろこぶ かるたかな
 朝堀の筍土の化粧かな
 あさぼりの たけのこ つちの けしょうかな

席題の部(席題「うちわ」又は田植え」)
天賞
 千枚田下へ下へと田植えかな
 せんまいだ したへしたへと たうえかな
地賞
 横たわる父の姿にうちわ風
 よこたわる ちちの すがたに うちわかぜ
人賞
 祖母の膝幸せそよぐうちわから
 そぼの ひざ しあわせ そよぐ うちわから
入選賞    
 子供たちうちわで寝つきひと休み
 
こどもたち うちわで ねつき ひとやすみ
 節電でうちわの出番そこかしこ
 せrつでんで うちわの でばん そこかしこ
努力賞
 集団で昔ながらの田植かな
 しゅうだんで むかしながらの たうえかな
 うたたねの頬(ほお)にうちわのあとがつき
 
うたかたの ほおに うちわの あとがつき
 しぶうちわパタパタパタと子をしかる
 
しぶうちわ ぱたぱたぱたと こを しかる

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第41回和歌山県盲人俳句大会入賞句

兼題の部
天賞
 生まれたるこの子爺似や花菖蒲
 
うまれたる このこ じじにや はなしょうぶ
地賞
 通されて匂いかぐわし夏座敷
 
とおされて におい かぐわし なつざしき
人賞
 短冊に点字の願い星祭り
 
たんざくに てんじの ねがい ほしまつり           
入選
 診察のやさしき医師の手のぬくし
 
しんさつの やさしき いしの ての ぬくし
 菖蒲葺く古希の腕のかんどころ
 
しょうぶふく こきの かいなの かんどころ
特選
 仏前によもぎ団子と通信簿
 
ぶつぜんに よもぎだんごと つうしんぼ
 姿見に映る春着は姉ゆずり
 
すがたみに うつる はるぎは あねゆずり
努力賞
 囀りや暗き心(こころ)に火が灯る
 
さえずりや くらき こころに ひが ともる
 苗代寒スーパーで買ふ赤卵
 
のしろさむ すーぱーで かう あかたまご

席題の部(席題「梅雨晴」又は「昼寝」)
天賞
 梅雨晴れの大窓小窓開け放ち
 つゆばれの おおまど こまど あけはなち
地賞
 梅雨晴れに休むヒマなしせんたく機
 
つゆばれに やすむ ひまなし せんたくき
人賞
 梅雨晴れや草を引く手の早いこと
 
つゆばれや くさの ひくての はやいこと
入選賞
 梅雨晴れの道を急ぎし二人連れ
 
つゆばれの みちを いそぎし ふたりづれ 
 梅雨晴れ間布団叩いてひとしきり
 
つゆはれま ふとん たたいて ひとしきり 
努力賞
 昼寝して猫とゆっくりくつろいで
 
ひるねして ねこと ゆっくり くつろいで
 梅雨晴れに洗濯物で竿が揺れ
 
つゆばれに せんたくもので さおが ゆれ
 退職後せみと一緒に昼寝かな
 
たいしょくご せみと いっしょに ひるねかな

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第40回和歌山県盲人俳句大会入賞句
兼題の部
天賞
 風光る今日開店の美容院
 
かぜひかる きょう かいてんの びよういん
地賞
 桜貝もらいし人へ嫁に行く
 
さくらがい もらいし ひとへ よめに いく
人賞
 ぶらんこで大空を舞う日曜日
 
ぶらんこで おおぞらを まう にちようび
入選
 筍の着くづれのなき服脱がす
 
たけのこの きくづれのなき ふくぬがす
 写真家も画家も来てゐる藤の山
 
しゃしんかも がかも きておる ふじのやま
特選
 引っ越しの荷に鉢植えの胡瓜かな
 
ひっこしの にに はちうえの きゅうりかな
 姉の忌や姉のようなる春日差し
 
あねの きや あねのようなる はるひざし
努力賞
 夫留守の部屋開け放つ木の芽風
 
つま るすの へや あけはなつ このめかぜ
 ゆっくりと日は沈みけり初蛙
 
ゆっくりと ひは しずみけり はつかわず
 日向ぼこ子守り老婆のかぞえ歌
 
ひなたぼこ こもり ろうばの かぞえうた
 蚕豆を剥きをり音を競ひをり
 
そらまめを むきをり おとを きそひをり

席題の部(席題「浴衣」又は「風鈴」)
天賞
 留守の家軒の風鈴よくなって
 
るすの いえのきの ふうりん よくなって
地賞
 風鈴が「チリンチリン」と夢の中
 
ふうりんが ちりんちりんと ゆめのなか
人賞
 亡き母の形見の浴衣寸足らず
 
なき ははの かたみの ゆかた すんたらず
入選
 おろしたて浴衣ではしゃぐ子供達
 
おろしたて ゆかたで はしゃぐ こどもたち
 風鈴や軒すれすれにたま電車
 
ふうりんや のきすれすれに たまでんしゃ
努力賞 
 風鈴の音色も近し我が家かな
 
ふうりんの ねいろも ちかし わがやかな
 夕風や家族迎ふる鉄風鈴
 
ゆうかぜや かぞくむかふる てつふうりん
 賑やかに訪ねて来たる浴衣の子
 
にぎやかに たずねて きたる ゆかたのこ

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第39回和歌山県盲人俳句大会入賞句

兼題の部
天賞
 終戦日父に鉄砲担ぎ瘤
 
しゅうせんび ちちに てっぽう かつぎ こぶ
地賞
 玉葱を吊し匂いも吊るしけり
 
たまねぎを つるし においも つるしけり
人賞
 初蝉に癈ゆく耳を預けおり
 
はつぜみに しいゆく みみを あずけおり
 地下足袋を新しくして春の土
 
じかたびを あたらしくして はるの つち
入選
 車椅子桜吹雪を浴びながら
 
くるまいす さくらふぶきを あびながら
特選
 あじさゐの水滴ひかる朝の庭
 
あじさいの すいてき ひかる あさの にわ
 吊り橋の大きく揺れて栗の花
 
つりばしの おおきく ゆれて くりの はな
努力賞
 春の海水平線は空に溶け
 
はるの うみ すいへいせんは そらに とけ
 花蜜柑どの道行くも匂ふ村
 
はなみかん どのみち ゆくも におう むら
 四月馬鹿こゑ出す調理機器増へて
 
しがつばか こえだす ちょりきき ふえて

席題の部(席題「紫陽花」又は「父の日」)
天賞
 月明かり紫陽花のごと妻眠る
 
つきあかり あじさいのごと つまねむる
地賞
 夕刊のコトリ紫陽花色かわる
 
ゆうかんの ことり あじさい いろかわる
人賞
 紫陽花を育てておりし和尚かな
 
あじさいを そだてておりし おしょうかな
入選
 紫陽花や点字の句会コツコツと
 
あじさいや てんじの くかい こつこつと
 鐘の音に紫陽花揃ってうなずけり
 
かねのねに あじさい そろって うなずけり
努力賞 
 父の日に俳句大会技競い
 
ちちのひに はいくたいかい わざきそい
 父の日を忘れかけてたプレゼント
 
ちちのひを わすれかけてた ぷれぜんと
 床の間の紫陽花愛でてお茶を飲む
 
とこのまの あじさい めでて おちゃを のむ

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